コエンザイムQ10はどのように作られているのか?
コエンザイムQ10は1957年にアメリカで発見されました。発見後、10年の歳月を経て日本企業により初めて量産方法が開発されました。コエンザイムQ10はどのようにして作られるのでしょうか。ここではコエンザイムQ10の製法について説明します。
コエンザイムQ10の製法
コエンザイムQ10は構造が複雑なため、発見から量産方法が開発されるまで長い時間がかかりました。初めてコエンザイムQ10の合成に成功したのは日本の企業です。桑の葉の脂質の中にコエンザイムQ10の構造に類似した物質を発見し、それを利用、応用しコエンザイムQ10を作り出したのです。
その後、天然酵母や細菌を利用しコエンザイムQ10を作り出す製法が開発されました。現在、コエンザイムQ10は合成法と発酵法のふたつの製法で作られています。
合成法
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合成法はナス科タバコ属の植物の葉を原料に使用し、まずコエンザイムQ3を抽出します。それを化学的に合成してコエンザイムQ10を作り出す方法です。合成法は比較的低コストでコエンザイムQ10が製造できる方法です。しかし発酵法に比べ吸収率と純度が低いというデメリットがあります。
合成法で使用するタバコ属の植物の葉にはニコチンが含まれています。しかし合成法で製造されたコエンザイムQ10にはニコチンは含まれておらず、したがってニコチンの害を心配する必要はありません。
発酵法
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発酵法は完全な天然原料由来の製法です。テンサイやサトウキビ、トウモロコシを原料に、天然酵母や細菌で発酵させたのち化学合成しコエンザイムQ10を製造します。発酵法は吸収率が高く、純度の高いコエンザイムQ10を製造することができます。しかし合成法に比べ、コストが高くつくことがデメリットです。
原料に使用されるテンサイやサトウキビ、トウモロコシが製造されたコエンザイムQ10に素材として含まれることはほとんどありません。しかしこのような植物にアレルギーのある方は、念のため発酵法により製造されたコエンザイムQ10の摂取には注意を払ったほうがよいでしょう。
製法の違いによるコエンザイムQ10の選び方
コエンザイムQ10は脂溶性の物質であり、もともと、体内への吸収率が比較的低い成分です。より高い吸収率を得るためには、発酵法で製造されたコエンザイムQ10がよいといわれています。またコエンザイムQ10の純度が高い程、品質も高いとされています。この点においても発酵法の方が優れているといえるでしょう。
コエンザイムQ10の安全性
コエンザイムQ10は合成法、発酵法のどちらで製造されたものでも安全性が高く、安心して摂取できます。副作用もほとんどありませんが、過剰に摂取した場合、下痢、上腹部痛、悪心などの軽度の胃腸症状が出ることがあると報告されています。ちなみにコエンザイムQ10を医薬品として使用する場合は、1日に30mgが上限量ですが、健康食品として摂取する場合には摂取上限量は定められていません。購入した商品は使用上の注意書きをよく読み、それに従って摂取するようにしましょう。
まとめ
コエンザイムQ10の製法は合成法と発酵法があります。合成法はナス科の植物を原料として作られます。低コストで製造できますが、吸収率が低いというデメリットがあります。
発酵法は天然酵母と細菌を利用し、完全天然原料由来で製造できます。コスト的には高くなりますが、吸収率の高い高品質なコエンザイムQ10を作ることができます。
コエンザイムQ10は脂溶性の物質で、もともと吸収率が低い成分です。その効果を効率良く得るためには、吸収率の高い発酵法のコエンザイムQ10がおすすめです。