コエンザイムQ10と不妊の予防、改善

近年、不妊に悩むカップルが増加しているといわれています。不妊の原因がはっきりとわかっている場合はそれに応じた治療を受けることができますが、原因がわからないケースも少なくありません。妊娠しやすい体を目指し、現在サプリメントを利用している、あるいはこれから使ってみたいという人もいることでしょう。ここでは不妊の予防と改善をサポートするコエンザイムQ10について説明します。

不妊の定義と原因

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日本産科婦人科学会では、妊娠を希望している男女がその努力にも関わらず、1年間妊娠しない場合を不妊と定義しています。不妊は男性側、女性側、あるいは両方に原因がある3つのケースが考えられます。妊娠を望むためにはお互いの協力が不可欠です。

女性の不妊の主な原因は卵巣機能の問題、ホルモン異常、あるいは子宮内膜症などの病気が考えられます。

男性不妊は精巣、精子の問題、性機能の障害、そして女性と同じくホルモンの異常などが主な原因として考えられます。

そして男女共通の原因として年齢の問題があります。男女とも、高年齢になればなるほど不妊率は高まります。

加齢に伴い不妊率が上昇する理由

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女性の場合、年齢に伴い不妊が増えるのは卵子の老化が大きく関わっています。卵子の元の原始卵胞は生まれた時にすでに卵巣に存在し、年齢と同じスピードで年を取ります。後から新しく増えることはありません。実年齢が30歳であれば卵子も30年が経過しているということで、体と同じように卵子は日に日に老化していきます。

近年、晩婚化に伴い女性の出産年齢が高まり、初めての妊娠を望む時にはすでに30歳半ばであるということも珍しくありません。

高年齢になれば卵子の老化が進行するため、受精率が低下します。卵子が老化すると、機能の低下に伴い染色体の異常が起こりやすく、たとえうまく受精しても着床せず流産してしまう確率が高まるのです。

男性の場合は年齢に関係なく精子が作られます。しかし精子を作る機能は加齢に伴い低下します。精子を作るのに必要な男性ホルモンのテストステロンは年齢とともに分泌量が減少します。このため男性も30代に入ると生殖能力が老化し、不妊率が高まります。

また男性の加齢に伴って自然流産の率が高まるという研究報告もあり、加齢により精子そのものの機能も低下する可能性が考えられます。

コエンザイムQ10の働きはエネルギーの産生と活性酸素の除去

サプリメントとして人気の高いコエンザイムQ10は人の体内で作られる成分です。しかし加齢に伴い体内量は減少します。

コエンザイムQ10は人体中のあらゆる部分に存在しますが、主に細胞内のミトコンドリアに多く存在します。ミトコンドリアでは人の生命維持活動に必要なエネルギーが作り出されます。この働きを効率良く行う手助けをするのがコエンザイムQ10の役割です。

ミトコンドリアでエネルギーが作られる際に、活性酸素が発生します。活性酸素は増え過ぎると細胞を酸化させ、その働きを弱めます。コエンザイムQ10は増え過ぎた活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用があります。

ミトコンドリアを活性化

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近年の研究によると、卵子の質はミトコンドリアの数やその活性力により変わるのではないかと考えられています。ミトコンドリアの機能の低下と卵子の老化は関連しており、ミトコンドリアを活性化すれば卵巣機能の低下が防げるのではと推測されているのです。

コエンザイムQ10はミトコンドリア内でエネルギーの産生と活性酸素を除去することにより、ミトコンドリアの活性化に貢献します。コエンザイムQ10のこの働きにより卵子の質の低下を防ぎ、卵巣機能の向上が期待できるというわけです。現在、ミトコンドリアを生殖医療へ応用する研究もすすめられており、今後の研究結果が待たれます。

なお、ミトコンドリアの活性化にはコエンザイムQ10のほかにL-カルニチン、α-リポ酸なども役立つとされています。コエンザイムQ10のサプリメントにはこれらの成分を同時配合した商品もあり、相乗効果が期待できるでしょう。

精液中の抗酸化作用の促進

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海外での臨床実験で、コエンザイムQ10は精子の密度、運動性、正常形態の割合を増やすという結果が報告されています。この結果から、コエンザイムQ10は精液中の抗酸化作用を高め、酸化ストレス*を減少させる働きがあるのではと考えられています。

*酸化ストレスとは、細胞などが酸化されることにより起こる有害な作用のことをいいます。

そのほかにもコエンザイムQ10は精子の量が減る乏精子症患者の精子密度、総精子数、総運動精子数を上昇させ、さらに高度乏精子症群においては運動率も上昇させる働きがあることが報告されています。

妊娠しやすい体作りをサポートするコエンザイムQ10

妊娠しやすい体を作るためには、生活習慣の見直しが大切です。栄養バランスの取れた食事、規則正しい睡眠、適度な運動、そしてストレスを溜め過ぎないように毎日を過ごしましょう。

コエンザイムQ10は不妊を治す薬ではありません。妊娠しやすい体作りのために、補助的にうまく利用するものであるということを覚えておきましょう。

まとめ

男女とも、高年齢になればなるほど不妊率は高まります。
女性の場合、年齢に伴い卵子も老化するため、高年齢になると受精率が低下します。

男性の場合、加齢に伴い精子を作る機能と精子そのものの機能も低下する可能性が考えられます。

細胞内のミトコンドリアの機能の低下と卵子の老化は関連しているとされ、ミトコンドリアを活性化することにより、卵巣機能の向上が期待できます。

コエンザイムQ10はミトコンドリアに多く存在し、エネルギーの産生と活性酸素を除去する働きがあり、ミトコンドリアの活性に働きます。

コエンザイムQ10は精液中の抗酸化作用を高め、酸化ストレスを減少させる働きがあると考えられています。

コエンザイムQ10は妊娠しやすい体作りをサポートします。不妊の予防と改善にうまく役立てましょう。

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