コエンザイムQ10の名称の由来と別名

昨今、多くのサプリメントや健康食品が出回っていますが、中でもコエンザイムQ10という名前は独特で、ユニークな響きがあります。コエンザイムQ10という名前にはどんな意味があるのでしょうか。またコエンザイムQ10には別名があるのでしょうか。

コエンザイムQ10の名称について

コエンザイムを英語で表記するとcoenzymeです。coは接頭語で「補助」や「共同」という意味で、Enzymeは「酵素」です。したがってこのふたつをつないだcoenzymeは「補酵素」です。コエンザイムQ10は補酵素Q10と訳します。

補酵素とはあまり聞き慣れない名前ですが、人の生命活動において必要不可欠な物質です。

酵素は摂取した食物の消化、吸収、代謝などの大切な働きをしますが、中には単独では働くことができない酵素もあります。補酵素はそんな酵素と結託し、その働きをサポートします。コエンザイムという名称は、その働きから命名されたのです。ちなみにコエンザイムQ10のほか、ビタミンB群やマグネシウムなども補酵素です。

ではQ10は何を意味しているのでしょうか?

Qはキノン、quinoneの頭文字で、10はイソプレンと呼ばれる分子構造に含まれる単位が繰り返す数を示しています。

少し専門的になりますが、キノンとは生物界に広範囲に存在する芳香族化合物(※1)の中の、ベンゼン環(※2)の水素原子2個を酸素原子2個で置き換えた化合物の総称です。

現在、コエンザイムQは構造の違いによりQ1からQ13までの種類があることがわかっています。Q10は人の体内に存在する型で、補酵素としてエネルギーの産生に関与します。

※1:芳香族化合物...分子内にベンゼン環を持つ有機化合物のことで、ベンゼンやナフタリンなどがある。
※2:ベンゼン環...ベンゼンなど、6個の炭素原子が同じ強さで結合し、かつ単結合と二重結合が交互にできる正六角形の炭化水素の構造。

コエンザイムQ10はビタミンQと呼ばれていた

コエンザイムQ10は以前、ビタミンQと呼ばれ、ビタミンの一種とされていました。ビタミンとは人の正常な発育と健康を保つために欠かすことのできない有機物質の総称で、体内では作ることができない化合物です。のちにコエンザイムQ10は体内で作ることができると確認されたため、ビタミンではなく、ビタミンに似た働きをするビタミン様物質とされました。

コエンザイムQ10の別名とは

コエンザイムQ10は、ユビキノンとも呼ばれています。

1958年、ラットの肝臓から取り出した脂溶性の物質が、キノンの構造を持つ化合物であることが発見されました。発見者であるイギリスの学者らは、その化合物をユビキノンと名付けました。ユビキノンはラテン語で普遍的にあるという意味のユビキタスという言葉をもじった名前です。

その後、ユビキノンとコエンザイムQ10が同じ成分の物質であることが発見され、それ以降、ユビキノンはコエンザイムQ10の別名として使用されています。

現在、ユビキノンという名前は主に医薬品に多く用いられ、コエンザイムQ10という名前はサプリメントや化粧品に多く使用される傾向にあります。

ユニークな響きのコエンザイムQ10という名前には、実はしっかりした意味があったわけです。ユビキノンのほかに、時々、CoQ10(コーキューテン)と省略したり、日本語訳で補酵素Q10などと呼ばれることもあります。一緒に覚えておきましょう。

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