コエンザイムQ10は何から作られているのか?

コエンザイムQ10は補酵素で人の体内で合成されますが、一般の数多くの食品にも含まれています。また人工的に量産され、医薬品や健康食品などとして販売されています。しかしこのような製品の原材料名には「コエンザイムQ10」としか書かれていません。コエンザイムQ10はどのような原料から作られているのでしょうか。

日本企業が作るコエンザイムQ10

コエンザイムQ10はアメリカで発見されました。しかしその構造が複雑で、発見されてから合成、量産されるようになるまで長い時間がかかりました。
初めてコエンザイムQ10の量産に成功したのは日本の企業です。現在でもコエンザイムQ10を作っているのは日本企業のみで、これはサプリメントの原料の製造では非常に珍しいことです。日本企業が作ったコエンザイムQ10を多くのメーカーが購入し、コエンザイムQ10の製品化にあたっています。

製法により違いがあるコエンザイムQ10の原料

コエンザイムQ10は色々な食品に含まれています。コエンザイムQ10を含む食品は、さば、いわし、まぐろ、イカ、豚肉、牛肉、レバー、ピーナッツ、大豆、ブロッコリー、胡麻油、菜種油など数多くあります。

しかし人工的に量産されるコエンザイムQ10の原料にはこれらの食品は使用されていません。

現在、コエンザイムQ10を作るのには合成法と発酵法のふたつの方法があり、使用される原料がそれぞれ異なります。初めてコエンザイムQ10が量産された時に用いられた製法は合成法でした。合成法ではまず、ナス科タバコ属の植物の葉からコエンザイムQ3を抽出し、その後化学合成しQ10を作り出します。この製法は現在でも変わりなく、ナス科タバコ属の植物が使用されています。

一方、発酵法では100%天然由来のコエンザイムQ10を作り出すことができます。サトウキビ、テンサイ、トウモロコシなどを利用して天然酵母と細菌を発酵させ、コエンザイムQ10を作り出します。

合成法ではナス科タバコ属の植物を用いる

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合成法に使用されるナス科タバコ属の植物は南北米大陸の熱帯から温帯にかけての地方と、オーストラリア、南太平洋諸島、アフリカ南西部などに分布しています。タバコ属は約50種類程あります。日本ではタバコ属の植物の一般栽培は禁止されていましたが、1987年には家庭栽培が認められるようになりました。タバコ属の植物の葉には、ニコチンが含まれており、生食すると下痢、嘔吐、痙攣、筋肉の麻痺などの症状が出ます。しかしこの葉を原料にして合成法で作ったコエンザイムQ10にはニコチンは含まれておらず、このような症状が出る心配はありません。

発酵法ではサトウキビ、テンサイ、トウモロコシを用いる

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サトウキビは東南アジア、ポリネシアの熱帯地方原産の多年草です。国内では沖縄、九州、四国でも栽培されています。サトウキビは砂糖の原料として広く知られている植物です。

テンサイはビート、さとう大根とも呼ばれるヒユ科の植物で、地中海沿岸が原産地です。サトウキビ同様、砂糖の主要な原料として利用されています。寒さに強く、国内生産のほとんどは北海道で栽培されています。

トウモロコシはイネ科の植物で、人の食用以外にも家畜の飼料、コーンスターチや油の原料に使用されています。小麦、米と並び、世界の三大穀物のひとつです。

サトウキビ、テンサイ、トウモロコシを利用し、発酵法で作ったコエンザイムQ10にはこれらの植物成分が含まれることはほとんどありません。とはいえ、これらの植物にアレルギーのある人は念のため注意しておくとよいでしょう。

まとめ

コエンザイムQ10の原料は、製造方法により異なります。合成法ではナス科タバコ属の植物の葉が、発酵法ではサトウキビ、テンサイ、トウモロコシなどを使い天然酵母と細菌を発酵させて作ります。いずれの方法でも、原料がコエンザイムQ10に混入することはほとんどありません。しかしアレルギーのある方は、念のため注意しておきましょう。

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